
マイホームを新築または購入する際、ほとんどの人が住宅ローンを組みます。そして、その住宅ローンを契約する際、金融機関から「火災保険への加入」を求められるのが一般的です。
しかし、「火災保険って法律で義務付けられているの?」「なぜ住宅ローン契約時に必要なの?」と疑問に思う方も多いでしょう。今回は、火災保険の加入が義務なのかどうか、そして住宅ローン契約時に特に注意すべきポイントについて解説します。
火災保険の加入は「法律上の義務」ではない
結論から言うと、火災保険の加入は、法律で義務付けられているわけではありません。
ではなぜ、住宅ローンを組む際には加入が必須となるのでしょうか。それは、金融機関がローンを貸し出す際の条件として、火災保険への加入を定めているからです。
金融機関が火災保険加入を求める理由
金融機関は、住宅ローンという形で多額のお金を貸し出します。もし、その担保となる建物が火災や自然災害によって損壊・焼失してしまった場合、建物の価値が失われ、ローンの回収が困難になるリスクがあります。
ポイント:
火災保険は、万が一の災害で建物が損壊した際に、保険金で建物を修繕・再建するための費用を賄うものです。
金融機関は、火災保険に加入させることで、担保の価値を保全し、ローンのリスクを回避しようとしているのです。
住宅ローン契約時に特に注意すべき2つのポイント
住宅ローン契約と火災保険は密接に関わっています。特に、以下の2点に注意して火災保険を選びましょう。
1. 保険金額は「建物の評価額」に合わせる
火災保険の保険金額は、建物を再建するために必要な費用(再調達価額)を基準に設定します。
ポイント:
住宅ローンで借り入れる金額と、火災保険の保険金額は一致しないことがほとんどです。
借り入れ額に合わせて保険金額を設定してしまうと、万が一の際に再建費用が不足する可能性があります。
適切な保険金額を設定するために、建築業者や不動産会社、保険代理店に相談しましょう。
2. 保険期間は「住宅ローンの返済期間」に合わせる
多くの金融機関は、火災保険の保険期間を住宅ローンの返済期間と同じにすることを求めています。
ポイント:
例えば、35年ローンを組む場合、火災保険の契約期間も最長10年で契約し、その後は更新していく必要があります。
火災保険は「長期契約」がお得です。1年契約を更新し続けるよりも、5年や10年といった長期で契約することで、保険料の割引が適用され、総額を安く抑えることができます。
火災保険でカバーすべき範囲
火災保険は「火災」以外の災害もカバーできます。住宅ローン契約時には、以下の補償を含めることが求められるのが一般的です。
火災・落雷・破裂・爆発
風災・ひょう災・雪災
水災
【重要】地震保険は火災保険とは別物!
地震保険は、火災保険とは別の保険であり、火災保険とセットでしか加入できません。地震大国である日本では、地震保険への加入は必須と考えるべきです。金融機関によっては、地震保険への加入も融資の条件に含めている場合があります。
まとめ:火災保険は「住宅ローンのリスクヘッジ」
火災保険は法律で義務付けられているものではありませんが、住宅ローンを借りる上では事実上の必須条件となります。
金融機関は、ローンの担保を守るために加入を求める。
保険金額は、借り入れ額ではなく、再建費用に合わせて設定する。
保険期間は、長期契約にすることで保険料を安く抑えられる。
火災保険だけでなく、地震保険もセットで加入を検討する。
これらの点を理解し、住宅ローン契約と火災保険をセットで検討することで、あなたは大切なマイホームと、将来の安心をしっかりと守ることができるでしょう。
イエシール / 家を建てようと思ったら、一級建築士と賢く家づくり