
マイホームを守るための火災保険。しかし、その契約は複雑で、「どの補償が必要?」「保険料はどう決まるの?」など、多くの疑問が浮かんでくるものです。
一級建築士として、私は家づくりと密接に関わる火災保険について、お客様から頻繁に相談を受けます。今回は、火災保険を検討する際に多くの人が抱く、よくある疑問20選にQ&A形式で分かりやすくお答えします。
補償範囲と保険金額に関するQ&A
Q1:火災保険は「火事」しか補償されない?
A1: いいえ、そんなことはありません。火災の他に、落雷、破裂・爆発、風災、ひょう災、雪災、水災など、さまざまな自然災害による損害を補償します。
Q2:家財も火災保険で補償される?
A2: いいえ、家財は別途「家財保険」に加入する必要があります。 建物と家財は別々に契約するので、必要な補償を検討しましょう。
Q3:保険金額はいくらにすべき?
A3: 建て替えや再建に必要な費用である「再調達価額」で設定しましょう。住宅ローンの借入額に合わせてしまうと、万が一の際に再建費用が不足する可能性があります。
Q4:古い家だと保険料は高くなる?
A4: はい、高くなる傾向があります。築年数が古い建物は、新しい建物に比べて損害リスクが高いと判断されるためです。
Q5:中古住宅を購入する際の注意点は?
A5: 売り主が加入している保険を引き継ぐことはできません。新たに保険を契約する必要があります。また、建物の状態を事前に確認し、必要な補償を検討しましょう。
契約期間と保険料に関するQ&A
Q6:火災保険の契約期間は?
A6: 最長10年まで契約できます。かつては36年まで可能でしたが、現在は短縮されています。
Q7:長期契約がお得って本当?
A7: はい、本当です。1年契約を毎年更新するよりも、長期契約は保険料の割引率が高いため、総額を安く抑えられます。
Q8:地震保険は必ず加入すべき?
A8: 法律上の義務ではありませんが、地震大国である日本では必須です。地震による火災や損壊は、火災保険では補償されません。
Q9:地震保険料は建物の構造で変わる?
A9: はい、変わります。木造よりも、鉄骨造やコンクリート造の方が地震に強いとされ、保険料は安くなります。
Q10:保険料を安くする方法は?
A10: 免責金額を設定する、長期契約にする、建物の性能(耐震等級、省エネ性能など)を上げる、といった方法があります。
適用条件と手続きに関するQ&A
Q11:台風で雨漏りした場合は補償される?
A11: はい、風災補償で補償されます。ただし、損害額が免責金額を超える場合に限られます。
Q12:水災補償は必要?
A12: 洪水や土砂災害リスクが高い地域に住んでいる場合は、加入を検討すべきです。ハザードマップでリスクを確認しましょう。
Q13:保険金はいつもらえる?
A13: 被害状況の調査を経て、損害額が確定してから支払われます。契約内容や被害状況によって支払われるまでの期間は異なります。
Q14:保険金が支払われないケースはある?
A14: はい、あります。故意や重大な過失による損害、経年劣化による損害、契約していない災害による損害などは、保険金が支払われません。
Q15:火災保険の選び方のポイントは?
A15: 補償内容と保険料のバランス、そして契約期間や支払い方法(一括払いか分割払いか)を比較して選びましょう。
建築士からのアドバイスQ&A
Q16:新築の場合、いつから火災保険を契約すべき?
A16: 建物の引き渡し日や、住宅ローンの実行日を保険開始日として契約します。
Q17:火災保険の選び方で建築士に相談できることは?
A17: どのような建材を使っているか、どのような構造か、耐震等級はどうか、など、建物の特性から必要な補償や割引制度についてアドバイスできます。
Q18:火災保険料を抑えるにはどうすればいい?
A18: 耐震等級や省エネ性能を上げた高性能住宅を建てることで、割引が適用される可能性があります。
Q19:契約内容の見直しは必要?
A19: はい、必要です。数年ごとに見直すことで、ご自身のライフスタイルや建物の状況に合った補償内容にできます。
Q20:火災保険に詳しくなくても大丈夫?
A20: はい、大丈夫です。建築業者や保険代理店の担当者に、ご自身の状況や希望を正直に伝え、相談しながら選びましょう。
イエシール / 家を建てようと思ったら、一級建築士と賢く家づくり