
「今の住宅ローンの金利、本当にこのままで大丈夫かな…」
「借り換えるなら、どんなタイミングが良いんだろう?」
住宅ローンを組んで数年が経ち、毎月の返済に追われる中で、このように考える方も多いのではないでしょうか。住宅ローンの「借り換え」は、今のローンを完済し、新たなローンを組み直すことで、金利の負担を減らし、総返済額を大幅に削減できる可能性があります。
しかし、借り換えには諸費用がかかるため、「本当に今が適切なタイミングなのか?」と判断に迷う方も少なくありません。今回は、一級建築士として、住宅ローンの借り換えを検討すべき「サイン」と、その判断基準を解説します。
住宅ローン借り換えを検討すべき「3つのサイン」
以下のいずれかに当てはまる方は、住宅ローンの借り換えを検討する絶好のタイミングかもしれません。
サイン1:金利差が「1%以上」ある
借り換えの最大のメリットは、金利を下げて総返済額を減らすことです。現在の金利と、借り換えを検討している金利に1%以上の差がある場合、借り換えによるメリットが大きくなる可能性が高いです。
ポイント:
借り換えには、事務手数料や保証料、登記費用といった諸費用がかかります。
金利差が小さいと、借り換えによるメリットが諸費用で相殺されてしまうことがあります。
「諸費用を考慮してもメリットが出るか」をシミュレーションすることが重要です。
サイン2:ローンの残りの返済期間が「10年以上」ある
借り換えは、残りの返済期間が長いほど、金利削減効果が大きくなります。
なぜ効果的なのか?
住宅ローンは、返済期間の初期は利息の割合が多く、元金の減りが遅いのが一般的です。
残りの返済期間が長いほど、将来支払う予定だった多くの利息を削減できるため、借り換えのメリットが大きくなります。
ポイント:
逆に、ローンの残りが数年しかない場合、借り換えによる金利削減額よりも、諸費用が上回ってしまう可能性が高いため、あまりお勧めできません。
サイン3:ローンの残高が「1,000万円以上」ある
ローンの残高が少ないと、金利差があっても、借り換えによる利息の削減額は限定的になります。
ポイント:
ローン残高が1,000万円以上ある場合、借り換えのメリットが出やすくなります。
残高が少ない場合は、借り換えではなく、繰り上げ返済で返済期間を短縮する方が、コストパフォーマンスが良い場合があります。
借り換え成功のための「2つの注意点」
借り換えを検討する際は、以下の点にも注意が必要です。
1. 住宅ローン減税の期間を確認する
借り換え後のローンでも、住宅ローン減税は引き継げますが、その期間は「当初の借り入れ開始から10年間(新築の場合は13年間)」です。
ポイント:
借り換えによって、新たにローンを組み直しても、減税期間が延長されることはありません。
減税期間中に借り換える場合は、減税によるメリットと、借り換えによるメリットを比較して判断することが重要です。
2. 借り換え先の「審査」を通過する
借り換えでも、新たな金融機関の審査を通過する必要があります。
ポイント:
現在の健康状態や、転職の有無など、状況が変わっている場合は、審査が厳しくなることがあります。
転職したばかりの場合や、持病がある場合は、事前に複数の金融機関に相談しておきましょう。
まとめ:借り換えは「シミュレーション」が全て
住宅ローンの借り換えは、人生の資金計画を大きく改善できる可能性があります。
金利差が1%以上、返済期間が10年以上、ローン残高が1,000万円以上であれば、借り換えを検討する価値あり。
必ず、諸費用を含めたトータルのコストでメリットが出るかシミュレーションする。
住宅ローン減税の期間や、借り換え先の審査についても事前に確認する。
これらのサインと注意点を参考に、あなたの住宅ローンが「借り換えのベストタイミング」を迎えているか、ぜひ見直してみてください。
イエシール /家を建てようと思ったら、一級建築士と賢く家づくり