深掘り解説コラム49 / 火災保険の長期契約がお得? 保険期間と保険料の関係

マイホームを新築したり購入したりする際、必ず加入を検討するのが「火災保険」です。多くの人が保険料の安さや補償内容を比較検討しますが、もう一つ重要なのが「保険期間」です。

火災保険は、1年契約から最長で10年契約まで、さまざまな期間で契約することができます。実は、この保険期間を長く設定する「長期契約」には、多くのメリットがあります。今回は、火災保険の長期契約がお得な理由と、保険期間と保険料の関係、そして注意すべきポイントを解説します。

長期契約がお得な3つの理由

火災保険を長期で契約すると、主に以下のようなメリットがあります。

1. 保険料の割引率が高い

長期契約は、1年契約を毎年更新するよりも保険料の割引率が高いため、結果的に支払う総額が安くなります。

 例: 1年契約の保険料が1万円の場合

  1年契約を10回更新:1万円 × 10 = 10万円

  10年一括契約:10万円 × 割引率(例:15% = 8.5万円

 ポイント: 割引率は保険会社によって異なりますが、一般的に契約期間が長くなるほど割引率も高くなります。

2. 契約更新の手間が省ける

1年契約の場合、毎年更新の手続きが必要です。うっかり更新を忘れてしまうと、保険が切れてしまうリスクもあります。

 ポイント: 長期契約なら、更新手続きは数年に一度で済むため、手間や更新忘れの心配がなくなります。

3. 契約時の保険料が固定される

火災保険料は、災害の増加や物価の上昇などによって、将来的に値上がりする可能性があります。

 ポイント:

  長期契約で保険料を一括払いした場合、契約期間中は保険料が固定されるため、途中で値上がりする心配がありません。

  将来的な保険料の値上がりリスクを回避できるのは、大きなメリットと言えるでしょう。

保険期間と保険料の関係

火災保険の保険期間は、かつては最長で36年まで設定できましたが、現在は最長10年に短縮されています。これは、自然災害の多発によって保険会社の収支が悪化したことや、建物の経年劣化によるリスク増大などが理由です。

 現在の契約期間: 1年、2年、3年、10

 契約期間の選び方:

  住宅ローンを借りる場合: 住宅ローンの借入期間に合わせて契約することが一般的です。特に、返済期間が長い場合は、10年契約を検討すると良いでしょう。

  一括払いの場合: 多くの保険会社では、契約期間が長くなるほど、保険料の一括払いによる割引が大きくなります。

長期契約の注意点とデメリット

長期契約にはメリットが多い一方で、注意すべき点もあります。

1. 契約途中で解約すると「払い戻し金」が少なくなる

契約期間の途中で火災保険を解約した場合、残りの期間の保険料が**「未経過保険料」**として返金されます。

 ポイント:

  未経過保険料は、一括払いした保険料を日割り計算した額よりも少なくなるのが一般的です。

  契約期間の途中で引越しなどで解約する可能性がある場合は、短期契約の方が良い場合もあります。

2. 補償内容の見直しがしにくい

長期契約の場合、契約期間中は補償内容が固定されます。

 ポイント:

  家族構成の変化や新しい設備の導入などで、保険の補償内容を見直したいと思っても、期間中は変更が難しい場合があります。

  最新の補償内容(例:水災補償の基準変更など)が適用されないままになるリスクもあります。

まとめ:火災保険は「長期契約」が基本!

火災保険は、長期契約が基本であり、多くのメリットを享受できます。

 割引率が高く、保険料の総額を安く抑えられる。

 契約更新の手間や、将来的な保険料の値上がりリスクを回避できる。

 ただし、契約期間中に解約する可能性がある場合や、補償内容を柔軟に見直したい場合は注意が必要。

これらのメリット・デメリットを理解した上で、あなたのライフプランや建物の状況に合った保険期間を選び、大切なマイホームと暮らしをしっかりと守りましょう。

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