深掘り解説コラム46 / 【相続した実家】不動産一括査定で空き家問題と売却の進め方

親から実家を相続したものの、「遠方に住んでいて管理が難しい」「誰も住む予定がない」といった理由で、その家を「空き家」にしてしまうケースが増えています。空き家は、放置すると建物の老朽化が進むだけでなく、防犯・防災上のリスクや、固定資産税の負担増といった多くの問題を引き起こします。

このような状況で頼りになるのが「不動産一括査定サイト」です。このサービスを活用すれば、相続した実家の価値を効率的に把握し、空き家問題を解決するための第一歩を踏み出すことができます。今回は、相続した実家の空き家問題と、不動産一括査定サイトを利用した賢い売却の進め方について解説します。

なぜ相続した実家は「空き家問題」になりやすいのか?

相続した実家が空き家になる背景には、いくつかの理由があります。

 管理の負担: 相続人が遠方に住んでいる場合、定期的な換気や清掃、庭の手入れなどが難しくなります。

 売却・活用の判断が難しい: 相続人が複数いる場合、売却するか、賃貸に出すかで意見がまとまらないことがあります。

 心理的なハードル: 思い出の詰まった家を売ることに、心理的な抵抗を感じる方も少なくありません。

 コストの負担: 家に住んでいなくても、固定資産税や都市計画税、火災保険料、光熱費、メンテナンス費用といったランニングコストは発生します。

これらの問題が重なると、結果的に家が放置され、老朽化が進んでしまうのです。

不動産一括査定サイトを「空き家問題解決」の第一歩に

相続した実家の売却を検討する際、不動産一括査定サイトは非常に有効なツールとなります。

1. 現状の「家の価値」を効率的に知る

サイトに必要事項を入力するだけで、複数の不動産会社からまとめて査定額が届きます。これにより、あなたの家が現在の市場でいくらくらいの価値があるのかを、おおよそ把握することができます。

 ポイント: 査定額はあくまで目安です。査定額の根拠をしっかりと確認し、複数社の意見を参考にすることが重要です。

2. 売却の選択肢と可能性を探る

査定を依頼することで、単に売却価格を知るだけでなく、さまざまな選択肢や可能性を提示してもらえることがあります。

 ポイント:

  「そのまま売る」だけでなく、「リフォームして売る」や「賃貸として活用する」といった提案ももらえる可能性があります。

  建物の状態によっては、「古家付き土地」として売却した方が良いケースもあります。 建築士の視点から見ると、築年数が古い家や、耐震性に不安がある家は、解体費用を差し引いても、土地としての価値を評価した方が良い場合が多いです。

3. 専門家との接点を作る

一括査定サイトを通じて査定を依頼すると、不動産のプロである担当者と直接話す機会が生まれます。

 ポイント:

  相続に関する専門知識を持つ担当者に相談することで、相続登記や税金(譲渡所得税など)に関するアドバイスももらえる可能性があります。

  担当者と話す中で、信頼できるパートナーを見つけることができれば、売却活動を安心して任せることができます。

相続した実家の売却をスムーズに進めるための注意点

相続した実家の売却には、一般的な売却とは異なる注意点があります。

1. 相続登記を済ませておく

不動産を売却するためには、法務局で相続登記を行い、実家の名義を相続人に変更しておく必要があります。

 ポイント:

  相続人が複数いる場合は、遺産分割協議を行い、誰がどの財産を相続するかを決めておく必要があります。

  登記には時間と費用がかかるため、早めに手続きを進めましょう。

2. 相続人全員の合意を得る

相続した実家が共有名義になっている場合、相続人全員の同意がなければ売却できません。

 ポイント:

  兄弟姉妹など、複数の相続人がいる場合は、全員が納得できる形で売却を進める必要があります。

  早めに家族会議を開き、売却の意思を確認しましょう。

3. 売却前に「家の状態」を把握する

 建築士の視点: 売却前にインスペクション(住宅診断)を実施することをおすすめします。インスペクションによって、建物の劣化状況や欠陥の有無を客観的に把握でき、買主に安心して購入してもらえる材料になります。

 ポイント:築年数が古い家の場合、特に耐震性やシロアリ被害の有無、雨漏りの跡などをチェックしておきましょう。

まとめ:空き家問題は「放置せず、まず知ること」から

相続した実家を空き家にしてしまうと、資産としての価値が下がるだけでなく、社会的な問題に発展するリスクも伴います。

 まずは不動産一括査定サイトで、家の価値を把握する。

 売却だけでなく、賃貸など他の選択肢も視野に入れて検討する。

 相続登記や相続人全員の合意など、必要な手続きを早めに進める。

これらのステップを踏むことで、あなたは相続した実家の空き家問題を解決し、次のステップへと進むことができるでしょう。

イエシール / 家を建てようと思ったら、一級建築士と賢く家づくり

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