深掘り解説コラム38 / 家づくりの流れを徹底解説! 最初の打ち合わせから完成まで

「家を建てたい!」そう思い立っても、何から手をつけて良いのか分からず、不安に感じる方は少なくありません。家づくりは、人生で最も大きな買い物の一つであり、専門的な知識や多くの手続きが必要です。全体の流れを把握しないまま進めてしまうと、予算オーバーや理想とのズレが生じてしまうこともあります。

一級建築士として、私はお客様が安心して家づくりを進められるよう、最初の打ち合わせから完成、そして引き渡しまでの全プロセスを丁寧にサポートしています。今回は、家づくりの全体像をステップごとに徹底解説し、あなたが理想の家を建てるための具体的なロードマップをお伝えします。

ステップ1:家づくりの「はじめの一歩」(情報収集・資金計画)

この段階が、家づくりの成功を左右すると言っても過言ではありません。

 理想のイメージを固める:

  どのような間取りが良いか、どんなデザインにしたいか、インターネットや雑誌で情報収集し、家族で話し合いましょう。

  漠然としたイメージでも構いません。「開放的なLDKがいい」「収納を増やしたい」など、具体的な要望をリストアップしておくと、後々の打ち合わせがスムーズになります。

 資金計画を立てる:

  自己資金がいくらあるか、住宅ローンをいくら借り入れるかを検討します。

  住宅ローンは、早めに金融機関に相談し、「事前審査(仮審査)」を受けておきましょう。 これにより、借り入れ可能額が明確になり、予算オーバーを防げます。

  建物の建築費だけでなく、土地代、付帯工事費(外構、地盤改良など)、諸費用(登記費用、ローン手数料など)も忘れずに含めた総予算を算出しましょう。

 建築パートナーを探す:

  ハウスメーカー、工務店、設計事務所など、それぞれの特徴を理解し、自分の理想の家づくりに合う依頼先を探しましょう。

ステップ2:設計のスタート(最初の打ち合わせ〜基本設計)

建築パートナーが決まったら、いよいよ家づくりの本番です。

 最初の打ち合わせ(ヒアリング):

  建築士や担当者と、あなたの要望やライフスタイル、資金計画などを詳しく話し合います。このヒアリングが、あなたの理想を形にするための最も重要なステップです。

  建築士の視点: この段階で、予算、デザイン、性能(耐震性や断熱性など)のバランスについて、プロの視点からアドバイスをもらっておくことが大切です。

 敷地調査・地盤調査:

  購入予定の土地や敷地を測量し、日当たりや風通し、周辺環境、法規制などを調査します。

  地盤調査は、安全な建物を建てるために不可欠です。地盤が弱い場合は、改良工事が必要となり、費用や工期に影響するため、早めに調べておきましょう。

 基本設計:

  ヒアリング内容と敷地調査の結果を基に、間取りや外観のイメージ、おおよその仕様などを決めていきます。この段階では、ラフな図面やパースを用いて、イメージを共有することが多いです。

  見積もり基本設計がまとまった段階で、おおよその工事費用が見積もられます。

ステップ3:詳細設計と契約

基本設計が固まったら、さらに細かな部分を詰めていきます。

 詳細設計:

  コンセントの位置、照明計画、床材や壁紙の色、キッチン・バスルームなどの住宅設備機器など、具体的な仕様を決定していきます。

  この段階で決めたことが、最終的な見積もりの金額に直結するため、納得いくまで打ち合わせを重ねることが重要です。

 工事請負契約の締結:

  詳細設計と最終的な見積もりが確定したら、工事請負契約を結びます。

契約前に、契約書の内容や工事期間、支払い条件(着工金・中間金など)を再度確認しましょう。

  一級建築士の視点: 契約内容に不安がある場合は、専門家に相談するか、複数の会社の見積もりを比較することをおすすめします。

 建築確認申請:

  建築基準法に適合しているかを行政機関に申請し、確認を受けます。建築士が代行してくれるのが一般的です。

ステップ4:着工から完成、そして引き渡しまで

いよいよ、あなたの家が現実の形になっていきます。

 着工・地鎮祭:

  工事の無事を祈願する地鎮祭を行い、工事が始まります。

  この段階で、「つなぎ融資」を利用して着工金を支払うことが一般的です。

 工事進行:

  基礎工事、上棟(骨組みの組み立て)、屋根・外壁工事、内装工事、設備工事など、工事が進んでいきます。

  一級建築士の視点: 私は、設計図通りに工事が進んでいるか、施工品質に問題がないかを定期的にチェックします。

 完了検査・施主検査:

  建物が完成したら、行政による完了検査が行われます。

  その後に、施主であるあなたが建物内を隅々まで確認する施主検査を行います。不具合や気になる点があれば、この段階で修正を依頼しましょう。

 引き渡し・引っ越し:

  すべての支払いが完了し、鍵を受け取って晴れて引き渡しとなります。

  住宅ローンの実行は、この引き渡しと同時に行われるのが一般的です。

まとめ:家づくりは「計画性」と「信頼できるパートナー」が鍵

家づくりは、最初の情報収集から引き渡しまで、多くのステップと専門的な手続きが必要です。しかし、全体の流れを把握し、信頼できる建築パートナーと出会うことで、不安は期待に変わります。

 最初に、資金計画を立て、住宅ローンの事前審査を済ませる。

 要望を丁寧にヒアリングし、分かりやすく説明してくれる建築パートナーを選ぶ。

 契約前に、見積もりや契約内容を隅々まで確認する。

これらのポイントを押さえれば、あなたは家づくりをスムーズに進め、理想のマイホームを手に入れることができるでしょう。

イエシール / 家を建てようと思ったら、一級建築士と賢く家づくり

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